道路に【置き石】無職の父と中学生の息子を逮捕!親子で犯罪か?

トレンド
この記事は約5分で読めます。

静岡県でかなり驚く事件がありました。報道によると『静岡県で無職の父と中学生の息子が道路に置き石をした』として逮捕されました。現時点では、容疑を否認しているため、この親子の犯行と決まったわけではありませんが、仮に、この親子が〝犯人〟と断定される時が来たら「なんでそんな馬鹿なことをやったのか?!」と動機を聞きたいです。
こんにちは。かつて新聞記者時代には、交通事故の取材をやっていた、不動産屋2代目社長とっくんです。

【ブログ論】質の高い情報を得るために必要なことは?!【元新聞記者の体験談】 

今回の静岡県での一連の事件を振り返ってみます。

路上にコンクリート片などが置かれる事件が25件!!

静岡・浜松市などでは、2018年10月から、路上にコンクリート片などが置かれる事件が連続して発生していて、実に25件に及んでいました。

この事件で25日、静岡県警は『延べ6,000人ほどの捜査員』を投入し、犯人逮捕へつなげたそうです。これはかなりの数の捜査員をつぎ込んだ証拠です。

逮捕されたのは、静岡県西部に住む40代の無職の男

2019年8月20日、浜松市中区の路上に、この男が12歳の長男(中学1年生)とともにコンクリート片2個を置いた疑いが持たれているそうです。

これらの一連の事件では、置かれたコンクリートに車が接触し、タイヤがパンクする被害が出たり、車が置き石に乗り上げ、土手を滑り落ち、川に転落したこともありました。また、石以外にも、路上に鉢植えやコーンが置かれていたケースもあったそうです。

 

【謎】どうして親子で犯行をするのか?!

ここが最大の謎です、警察には、複数の現場で自転車に乗った親子の目撃情報が寄せられてして、中学生の長男は、事件が発生した翌日にたびたび学校を休んでいたという。

調べに対し、40代の男は容疑を否認しているが、警察は、一連の事件に関与しているとみて調べている。

 

道路にブロックや石を置く行為と往来妨害罪

今回の事件に限らず、道路の上に「障害物を置く」という事件は、通常は少年がよく犯す行為です。少年が同様な犯罪をしたニュースを聞いた記憶が、かなりあります。

こうした犯罪は『往来妨害致傷罪』と言われ、【刑法124条1項】に規定されています。

(往来妨害及び同致死傷)刑法
第124条
1.陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の
懲役又は20万円以下の罰金に処する。
2.前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により
処断する。

往来妨害罪にあたる行為をした結果、人が傷害を負った場合には「往来妨害致傷罪」といい、これは同条2項に規定されています。

往来妨害罪は、大きく分けて、3つの要素から成り立っている

以下の3つの要素が全てあてはまる場合には、往来妨害罪が成立します(刑法124条1項)。

1.対象が陸路、水路、又は橋であること
2.1を損壊又は閉塞すること
3.2によって往来を妨害する危険を生じさせること

罪に問えるか否かは、2の「損壊」が当てはまるか?!ですが、通常は『往来が困難になるほどの物理的破壊』のことを指しますので、果たしてこれが当てはまるかは分かりません。

次に、「閉塞」はどうでしょうか?! 「閉塞」とは、有形の障害物を置いて道路を遮断することです。「損壊」と並んで規定されている以上、「損壊」と同じぐらい往来を困難にさせることが必要です。

判例では、幅約5.9メートルの道路の端から真ん中にかけて、車体約4.26メートルの自動車を斜めに駐車したうえガソリンを振りかけて放火炎上させた場合(最高裁昭和59年4月12日決定・昭和57(あ)893号)

幅約1.6メートルの路上に中古テレビ、茶だんす等のごみを多数投棄した場合(東京高裁昭和54年7月24日判決・昭和53年(う)2835号)

…上記のケースでは、道路を遮断しており【閉塞】にあたるとされています。

往来妨害罪は適用されるか?!

一方、通行者がさほどの困難なく回避したり、乗り越えたり、または取り除いたりして安全に通行できるような場合は、道路を遮断しておらず「閉塞」には当たらないとされています(名古屋高裁昭和35年4月25日判決・昭和34年(う)666号)。

こうしたことを考えると、この親子を逮捕したことまではいいのですが、警察は「往来妨害罪」が成立するのかどうかという点に自信がないのでしょう。今の報道による情報を見る限り、メディアも同様の認識ではないか?!とかと思います。

さらに、容疑者の一方が中学1年生の少年である点を考えても、結果としてその『少年の身元が特定されるような父親の実名報道もできないのかな?!』との感想を持ちました。

この親子が犯人ならば、かなりの知能犯?!

仮に、この親子が犯人だとして、上記のような法律の解釈と判例を熟知した上で「行った犯行」だとしたら・・・、末恐ろしいほどの知能犯です。

また、動機にしても、道路を通る誰かを傷つける目的もしくは、不特定多数の人間に迷惑をかけることを願っている行動だと仮定したら・・・、これも、かなり悪質な人間がやることですね。

スポンサードリンク

まとめ:新聞記者をやっていたときに同じような事件があった。

以上、とっくんの感想を書きましたが、実は、かなり以前に、とっくんが新聞記者をやっていたときに、これとまったく同じ事件を取材したことがあります。

その時の犯人は少年グループだったので、彼らが「法律知識があってやったこと」とはダレも思わなかったのですが、今回のように〝親子〟が犯人の可能性ということでは40歳代男性の方は、何かしらの知識があったものだと推察する次第です。

たとえ、「往来妨害罪」に問えないとしても、地域住民にこれだけ迷惑をかけたわけですので、それ相当の罰(社会的な制裁の意味合いも含めて)は必要でしょう。

まずは、容疑者が逮捕されて一安心ですが、今後は道路の管理上、さまざまな箇所に監視カメラが設置される流れになりそうですね!!

最後までお読みいただき、心より感謝しております。

スポンサードリンク
タイトルとURLをコピーしました