とっくん(@不動産投資家)です。ここ最近、筆者が力を入れている情報発信は『不動産投資の基本となる4つのスキル』です。過去記事で基礎編を書いているので、これを読んだ後、この記事をお読みください。「表面利回り」についての説明です。(トップ写真は当社の住宅展示場から)
前回の記事でとっくん社長は「表面利回り」のことを説明していましたね。これは不動産投資の重要な要素ですか?
重要であることは間違いありません。不動産投資は、物件(案件)を比較し合う基準が必要なので『表面利回り』はその最初のチェック項目です。『表面利回り』は想定される年間家賃収入 ÷ 物件の購入価格
この記事で書くことは…
・表面利回りの基準の意味合いを考えます。
以上の内容でココダケ情報を書きますので、最後まで記事を読んでみてください。
不動産投資家必須【表面利回り】を基準に「比較検討の指値を」実践
この写真は、筆者が「買付証明」を出した空き家です。かなり古く、壁などが崩れ落ちています。当初、これを簡単なリフォームして、賃貸にしようと思っていました。
相当古い家ですね。「買付証明」を出して購入することができたんでしょうか?
いや、まだです!! 現在、ボクの「指値(=購入希望価格)」を記載した手紙を所有者に送っていますが、返事が届いていません。恐らくは、購入はできないのでは?!と諦めかけています。
【買取業者が持っている基準事例】~構造と築年と表面利回りの関係
前回の記事では“ココダケ情報”として、収益物件の買取業者が持っている「表面利回り基準」を示しました。
前回の記事で紹介した収益不動産の買取業者の提示した『表面利回りを基準にした買取基準表』です。上記の空き家がどれに当たると思いますか?
表面利回り | ||||
築年数 | RC、SRC造 | 重量鉄骨造 | 軽量鉄骨 | 木造 |
5年以下 | 8.0% | 8.6% | 9.0% | 10.0% |
6年~10年 | 8.6% | 9.9% | 10.8% | 12.5% |
11年~15年 | 9.1% | 10.9% | 12.3% | 14.5% |
16年~20年 | 9.6% | 12.0% | 13.8% | 16.6% |
21年~25年 | 10.4% | 13.0% | 15.2% | 18.6% |
26年~30年 | 12.0% | 14.1% | ||
31年~35年 | 13.5% | 15.1% | ||
36年~40年 | 15.1% | 16.0% | ||
41年~46年 | 16.6% | |||
47年~ | 18.5% |
木造の住宅で、築年数も30年を超えているようですね。基準がないんじゃないですか?!
そのとおりです! 買取業者の基準表の中には合致しないくらい古い空き家です。ちなみに、ここは1DKの住宅が3つつながっています。くみ取り便所で風呂もかなり狭いです。
一般的に、上記のような「古い貸家」は入居者を見つけることができない場合、解体更地にして「土地を販売する」という方法もあります。
その際には【購入金額+(登記費用+税金)+(解体工事+滅失登記)+諸経費< 土地売却】が成り立つ必要があります。
ちなみに筆者は、自身が社長になってから購入した古家付、古事務所付の物件は2件あり、一つは駐車場にして、もう一つはハウスメーカーに土地のみ(更地にした上で)で売却しました。
【築古で空き家の表面利回り】は超高めが常識!!
「表面利回り」は、転売の場合は比較対象外となりますが、それでも購入時に賃貸の可能性がある場合は「表面利回り」からチェックをします。
上記の空き家も、筆者の中での『購入時の表面利回りは最低でも30%以上』を想定して指値をしました。
購入時の表面利回りとは? どういう意味ですか?
現時点では「3部屋とも空き家」状態です。収益賃料は0円です。これに、賃料を設定する金額を想定して、そこから大まかな表面利回りを出したというわけです。しかしながら、この時点でリフォームに必要な工事見積などは取っていません。なので、現実的な表面利回りでもありません。
購入時においては「空室」なので、賃料をどの程度に設定するか?!によって入居が決まるか否かが変わってきます。ですから、想定の段階の表面利回りは、あくまでも「大まかな表面利回り」です。
大まかな表面利回り想定による価格vs土地値 ~2つの査定手法で!!
一方で『土地値』というのは前述の古家を解体更地にして土地のみを売る値段のこととお考えください。
仮に、筆者がこの空き家を購入する場合、新たな入居者を見つけて賃貸物件として活用するのか、解体して売るのか――の2者選択があります。
同じ物件を異なった「査定手法」で考えながら、ビジネスが成立する価格を見つけるというものです。
買取業者の「表面利回りを基準にした買取基準表」は、業者が買い取る際の最低利回りを示したものなので、不動産投資家の方も参考にしてください。ボクの感想としては、かなり“強気の基準”にも見えますね。
この「買取基準表」の表面利回りを上回っている収益物件は、金融機関の融資も受けることができるでしょう。
まとめ:【不動産投資の査定】は複数の査定の手法を比較する‼
今回の記事は基礎編ですので、詳しい複雑な説明はナシにします。この記事で皆さまに知っていただきたいことは…、上記の空き家の所有者も「土地値での販売」を考えている可能性がある―ということです。
相続などで、住むことができない古家の所有者になった場合、まず、考えるのは『建物を解体して土地だけ売ったらどのくらいになるか?』ということでしょう。
土地の価格は、筆者の地域と読者の皆さまの地域の相場とは同じではないので、それぞれの市場価格に応じて“想定”をしてみてください。
不動産投資は、売主と買主がトレードオフの関係でので、筆者のような業者は「市場価格で購入」はしません。常に「どのくらいの利益が出るか?!」を想定して指値をします。
ただし、業者も、不動産を①保有することで賃料を得る②売却することで利益を確定する――を天秤にかけて考えているのです。ならば、不動産投資家は、売り手の心情を考えながら「指値交渉」をしていくようにするためにも両面の査定をしなければなりません。
皆さまが今後、不動産投資家になるためには『4つのスキル』を高めるべく、さまざまな面から比較検討ができるようにした方がよいと思います。
筆者のブログサイト(エックスサーバー使用)では、これまで740記事を投稿しております。不動産投資に関して基礎編から実践編まで、全般にわたり記事を掲載していますので、是非、当サイトの記事をお読みいただければ幸いです。