今回のブログ記事は『不動産決済日当日の流れ』について説明します。不動産屋は「不動産売買の決済」に立ちあうことが多いのですが、決済日は何度経験しても緊張します。一般の方にとっては、不動産購入の際の「決済」は不動産屋以上に緊張することでしょう。
不動産の購入は、他の商品やサービスと異なり、法律で定められている段取りがあります。
それは「所有権移転登記」という作業があるからですが…。
今回は不動産業歴25年以上のボクが不動産購入代金の決済について解説します。
【不動産決済の日】残金の支払いと所有権移転登記の流れは?!
多くの「不動産売買」は現金による決済ではなく、銀行振り込みが一般的です。このため、売主側自身の銀行口座に「売買金額が支払われたか?」の着金確認をする作業があるため、『銀行の応接室』で決済をすることが多いですね。
【不動産決済の日】売主と買主のパターンによって段取りが異なる!!
不動産売買契約の場合、売主と買主が存在するのですが、以下のようなパターンがあります。
・【その1】売主が業者(ハウスメーカーor不動産屋)→買主が一般の人 ・【その2】売主が業者(ハウスメーカーor不動産屋)→買主が業者 ・【その3】売主が一般の人→買主が業者(ハウスメーカーor不動産屋) ・【その4】売主が一般の人→買主が一般の人
大きく分けて4つのパターンですが、不動産屋の筆者的には「仕事が楽な順」に並べると・・・
その2=その1>その3>その4 ※その2はほとんど起こりえないケース
つまり、売買契約の形態によって、不動産屋の仕事量が大きく変わってきます。
【一般の人が不動産売買の当事者の場合】は、段取りが複雑です!!
一般の人が「売主or買主」の場合、住宅などの多くは「ローンの残債があり、決済の当日には『不動産の抵当権などを抹消する』手続きをする必要」があります。
このため、特に前述のケースその4『売主が一般の人→買主が一般の人』は、不動産屋の緊張度はマックスになります。
【不動産売買の流れ】手付金→残金決済=不動産が買主のものになる
この流れは以前のブログ記事でも説明しました。
『売主が一般の人→買主が一般の人』の中で、最も段取りが複雑になるのが・・・
・売主が一般の人(売買不動産に抵当権が設定されている場合)→買主が一般の人(住宅ローンを使う場合)
最初の物件調査では、不動産屋は対象不動産の「登記簿」を取得しますが、抵当権の欄(乙区欄)を見て、抵当権設定がされていてそれが複数にわたる場合は「かなり面倒な段取り」を予想します。
登記簿の仕組み
登記簿は1筆の土地、1個の建物ごとに「1単位の登記記録」が備えられています。そして、これらの登記記録は「表題部」「甲区」「乙区」という3つの部分から成り立っています。
【表題部】
土地の表題部には、所在・地番・面積等のほか、分筆、合筆、地積更正などの経緯などが記録されています。建物の表題部には、所在・家屋番号・種類・構造・床面積・付属建物の表示のほか、新築年月日、増築による床面積などの経緯が記録されます。また、マンションなどの区分建物については、その建物の敷地に関する権利(敷地権)が記録されます。
【甲区】
所有権に関する事項が記録されています。その所有者の名前、いつ所有した、どんな要因(売買or相続など)で所有権を取得したかを記載します。
具体的には「所有権移転」「所有権に関する仮登記」「所有権抹消」「差押」「買戻」「破産」などが記録されます。
【乙区】
抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記録されています。
具体的には「抵当権」「根抵当権」「地上権」「地役権」「賃借権」「質権」「採石権」などが記録されます。
【決済日】に参加する関係者は?!
残金決済の際に出席する当事者は、売主、買主の属性や抵当権の有無によって変わってきます。
【売買契約の残金支払い日(引渡し日)の主な参加者】 ・売主(代理の場合もあり) ・買主(代理の場合もあり) ・金融関係者(現金決済の場合は不要) ・宅建業者(仲介業者) ・司法書士
通常は、対象不動産の売主側の抵当権者が複数いる場合、「抵当権抹消」を円滑にするために、関係者に事前に面会し、打ち合わせをしておきます。こうした手続きは「司法書士」に委託します。
【契約締結及び決済(引渡し)など】費用は誰が負担するの?!
不動産の売買契約においては、さまざまな専門家が連携して仕事をしますので、各段階で費用が発生します。
以下にどのような費用が発生して、通常の費用負担者をまとめます。
・住宅ローンの申し込み(事前審査のための調査代)→買主 ・【住宅ローン審査(保険料等各種費用)】買主→金融機関 ・【確定測量費用(契約書で定める)】売主が一般的→土地家屋調査士 ・【仲介手数料】(売主→売主側の宅建業者、買主→買主側の宅建業者) ・【固定資産税の支払い調整(起算日を決めて按分計算)】買主→売主 ・【火災保険等の支払い調整】買主→売主 ・【所有権移転登記費用】買主→司法書士 ・【抵当権抹消登記費用】売主→司法書士 ・【抵当権設定登記費用】買主→司法書士
「抵当権者」が多数いる場合で、抵当権者の指定の司法書士がいる場合、買主側の「所有権移転登記を担当する司法書士」とが、打ち合わせをして段取りを決めます。
【決済日】の資金の流れは?!
ここで分かりやすくするために、資金の流れを説明します。『売主が一般の人→買主が一般の人』の中で、最も段取りが複雑なケースです。
1.【住宅ローン】住宅ローン提携金融機関→買主 2.【売買代金決済】買主→売主 3.【抵当権抹消手続き】売主→対象不動産の残債ローン貸主 4.【抵当権設定登記手続き】買主→司法書士 5.【不動産仲介手数料】売主→不動産屋、買主→不動産屋
入金確認などは「銀行→銀行」の送金から着金までに時間がかかるので、関係者は必要に応じて、着金確認ができるまで待機します。
まとめ:【一人社長の不動産屋】は売買契約の形態を選ぶべき?!
筆者は昨年、社長になった際に「一人社長の形態」を選びました。マンパワーは筆者自身しかないので、できるだけ業務を効率化するために・・・
・【その1】売主が業者(ハウスメーカーor不動産屋)→買主が一般の人 ・【その3】売主が一般の人→買主が業者(ハウスメーカーor不動産屋)
これに特化したビジネスモデルを構築しています。
なかでも「重要事項説明書」の作成業務の手間を考えると、『その1>その3』ですので、まずは優良な不動産物件を提供してくれるハウスメーカーと連携することですね。
一番のおススメは「新築住宅の建売販売の実績が半端ナイ」飯田ホールディングスの一建設㈱です。
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以上、本日もブログ記事を最後までお読みいただき心より感謝しております。