【特別家賃支援給付金】賃料支援プロジェクトチームインタビューから

不動産
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前回の記事で新型コロナウィルスの感染拡大の『特別家賃支援給付金(仮称)』の与党案の解説記事を掲載しました。今回の記事は、この案をまとめた自民党の「賃料支援プロジェクトチーム」の木原誠二事務局長(衆議院議員)のインタビュー動画を見た感想を交えての説明です。(トップ写真は、自民党サイトからの転載、木原氏は写真の左端)

前回の記事で、与党が「家賃の3分の2を給する案」を国会に提出していることは教えてもらいました。この法案ってどのようにして作られたのでしょうか?

 

とっくん
とっくん

この法案は2020年5月8日に、与党(自民党、公明党)がを安倍晋三首相に提言しました。現時点では、まだ法案としては国会に提案されていません。今回は、「賃料支援プロジェクトチーム」の木原誠二事務局長のインタビュー動画を見ての解説をします。

(今回の記事は2020年5月16日現在の情報です。今後の国会論戦の行方で結果が異なる場合があります)

 

 

 

【特別家賃支援給付金】賃料支援プロジェクトチームインタビュー

 

どうして自民党の議員が「賃料支援のプロジェクト」をやっているのでしょうか?

 

とっくん
とっくん

国会議員の仕事は「法律をつくること」だからです

国会のルールでは、主に3つのルートで議案が提出されます。
・衆法(衆議院議員提出法律案)
・参法(参議院議員提出法律案)
・閣法(内閣提出法律案)

通常、自民党内では「部会」「総務会」などの組織決定を受けて政策を詰めていきます。その中で今回は「賃料支援プロジェクトチーム」を作って案を検討してきたのでしょう。

 

 

 

自民党「賃料支援プロジェクトチーム」木原事務局長の説明から

これは、木原事務局長のインタビューで同氏が語っていた内容をそのまま記載しますと…

【特別家賃支援給付金の自民党案の2つの柱】
・直接の家賃補助(売上減のテナントに対して支給する)→持続化給付金とタイアップ
・既に自治体が取り組んでいる「地方創生臨時交付金」(下記に注)を使って支援をする

 

どうしてこのような2つの柱になったんでしょうか?

 

とっくん
とっくん

今回の「賃料支援」は時間との勝負なので、できるだけ早く施行・実施できるような体制をとるために自民党も工夫したのだと思います。

 

【新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金】~脱コロナに向けた協生支援金~

新型コロナウイルス感染拡大を防止するとともに、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し地方創生を図るため、緊急経済対策の全ての事項についての対応として、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施できるよう、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金~脱コロナに向けた協生支援金~ 」を創設する。

1.補正予算計上額:1兆円
2.所管:内閣府(地方創生推進室) ただし、各府省に移し替えて執行
3.交付対象等
(1)交付対象 :実施計画を策定する地方公共団体(都道府県・市町村)
(2)交付方法 :実施計画に掲載された事業(※)のうち国庫補助事業の地方負担分と地方単独事業の所要経費の合計額に対し、交付限度額を上限として交付金を交付
※ ソフト事業を中心とし、それに付随するハード事業も対象
(3)交付限度額:人口、財政力、新型コロナウイルスの感染状況、国庫補助事業の地方負担額等に基づき算定

首相官邸のサイトから転載
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/rinjikoufukin/pdf/20200501_gaiyou.pdf)

 

【特別家賃支援給付】支援対象は?! ~持続化給付金と似ている!!

この『特別家賃支援給付金』は、持続化給付金で当面の資金繰りをやってもらい、その“二の矢”としてこの制度を使うというスタンスです。

 

・支給対象→前年比1ヵ月で売上50%減or前年比3カ月で売上30%減のいずれかの事業者
・家賃の3分の2(上限は月額50万円、個人事業主は月額25万円)
・支給期間→最大で半年分

 

支給対象は持続化給付金の要件と似ていますね?!

 

とっくん
とっくん

そのとおりです。ここで問題となるのは、現時点で「受給要件のハードルが高い」と言われている持続化給付金と同じレベルで「特別家賃支援給付金」も制度運用するか?!ということです。

具体的には、個人事業者の「事業所得のみ」という要件の緩和が関わってくると思います。

 

【特別家賃支援給付】複数回にわたって実施 ~不正防止のため!!

ここで、木原事務局長による「特別家賃支援給付金」の給付方法をまとめてみました。

 

【特別家賃支援給付金の給付方法】
・支給の1回目は契約書に基づいて実行する
・2回目以降は賃料に支出したということを証明をしてもらい支給する→不正受給防止

 

とっくん
とっくん

木原事務局長によると『毎月ごとにチェックするのは難しいので一定程度まとめながらやっていく…』ということでした。これにより「特別家賃支給給付金」でのお金がオーナーに支払われたかチェックすることができます。

 

 

 

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まとめ:筆者の感想【与党案の方が野党案より」もスッキリ】

筆者の個人的な意見ですが…、4月28日に国会に提出された野党案は「賃料をオーナー側に日本政策金融公庫が代位弁済で支払う」とされていました。

これだと、オーナー側にしてみれば“望まないのに当事者にされた”という気持ちになります。そもそも、賃料をもらう(賃料を支払う)というのは「建物賃貸借契約」で定めた約束事の履行です。新型コロナウイルスという未曾有の事態ではあるものの、その責任はオーナー側にあるものではありません。

代位弁済という形が好むのか?という点では、筆者がオーナーならば「好まない」のです。その理由としては、事後を含めてテナント側(入居者)の支払い能力がしっかりと担保されるように、テナント自身が“自助努力”を含めて売上が回復して、テナントもオーナーも契約履行ができるようにしてもらいたいからです。このほか、野党案など実施までの時間がかかる可能性も否定できません。

一方、筆者の考えとは異なり「野党案」の方がよいとされるオーナーもおられるかと思いますが、これは“好み”の問題ではあります。

以上、今回の記事では「与党案」のプロジェクト過程をまとめました。現段階では、このスキームは事業系のテナントのみとしていて、住居系では適用されないようなので、今後の議論に注目していくつもりです。

 

 

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