いよいよ国会は「第2次補正予算」の審議が間もなく始まります。政府与党の自民党の政務調査会は2020年5月21日、第2次補正予算の編成に向けた党の考えを取りまとめ、安倍晋三首相に提言しました。(トップ写真は、首相官邸のサイトから転載)
政府与党は自民党のことです。国会議員の仕事は「法律をつくること」なのですが、内閣と一体となって政策を実現するように活動しています。そして、自民党の政務調査会が「自民党案」として、安倍首相に提言しました。
自民党政務調査会【第2次補正予算】に向けて自民党案を首相に提言
以下、自民党のサイトから今回の「提言」の説明を転載します。
先ず感染拡大防止を優先しつつ、雇用・事業の継続・存続を全力で支え、その後本格的な経済再活性化、需要喚起対策に全国民、全事業者で臨める環境を維持するという基本戦略の下、第2次補正予算の編成にあたっては(1)対策の奥行き・深さ・スピードを拡大する(2)「V字回復」から「U字回復」の長丁場を視野に入れた基本シナリオを更新する(3)国際的な産業編成や産業転換の動きに的確に対応し、さらに技術流出の防止に全力をあげるなどの考えが示されています。
その上で、感染拡大防止と経済・雇用の下支えを行いつつ、今後の本格的な需要喚起のための経済対策につなげるため、
・予備費の拡充
・医療体制や資材の確保
・ひとり親家庭や学生等への支援
・家賃補助、雇用調整助成金・持続化給付金の拡充
・新たな生活、産業様式の確立
・地方創生臨時交付金の拡充 などを盛り込んでいます。自民党サイトから転載(https://www.jimin.jp/news/policy/200177.html)
今後の経済対策の行方は⁈ ~本当の論点はナニ?
自民党の提言によると、14ページにわたり、7項目の提言をしています。その中で『3.雇用・事業の継続のための支援』の中で、
(2)持続化給付金の対応強化
(3)ハイブリッド型の家賃支援制度の創設
…の必要性を訴えています。これらの内容は、筆者のブログサイトでも紹介した記事を参照ください。
とっくん社長、今後の緊急経済対策の行方はどうなるんでしょうか? 他にも重要な論点があるんでしょうか?
今国会(会期末6月17日)で閉会される予定で「第2次補正予算」もすんなりと可決、施行されるでしょう。ですが、本当の経済対策の論点はコレではありません‼
【今後の本当の論点は⁈】 ~消費税減税主義vs財政規律主義?
筆者は、新聞記者出身です。政府や与党の政策に関しても、複合的な見方をしています。第2次補正予算案は、与野党でも対立点がそうあるわけではないので、速やかに可決されるでしょう。
今後の本当の問題は…
・将来の増税への布石⁈
この2点に集約されるでしょう。
今回の自民党の提言の中には「消費税のこと」は書かれていなかったのですか?
消費税に関しては、与党の中でも議論が2つに分かれています。実は、2020年3月末、自民党内に「減税勢力」が誕生して、消費税減税を主張して記者会見をしました。
一方で、自民党内に「財政規律主義」を主張する勢力も強いです。
自民党が一つにまとまっているわけではないので、消費税のネタが自民党案として出てくるのは難しいでしょう。
まとめ:表の政局ではなく“真の政局”を見極めろ‼
政治の世界では、本当に重要な案件の議論から国民の目をくらませるために、“表の政局”を出することが多々あります。今国会で言えば「検察庁法の一部改正」などが代表例です。
こうした議論は、政治に深く感心がある人から見たら「どうでもよい内容」です。むしろ、本当に重要なことは『消費税減税議論』です。安倍首相は2019年10月の消費税増税の前に、『リーマンショック級の経済打撃があれば消費税増税をしない…』と宣言していました。
実際には、リーマンショックをはるかに超える「新型コロナウイルスショック」が起きました。政府の約束によれば『消費税の増税は間違いだった』という結論になり、今すぐ是正(減税)をしなければならないことになります。
参考ながらですが、東日本大震災では多額の公的支援策が実施されましたが、ご存じの通り「復興特別税」という名の増税がされています。
今回の新型コロナウイルス禍によって、政府支出が増えた分を将来の増税で賄おうという考えは、一部の政治にや官僚には確実に存在します。
最後に…このブログサイト(エックスサーバー使用)では、政治的な発言はできるだけ控えたいと思っています。その理由は、最初から“政治的な色”をつけて情報を分析したら、正確な情報を伝えきれないと思っています。
筆者はできるだけ正確な情報を収集するために「事象」を客観的に分析できるような記事を目指しますので、よろしくお願いします。