社長になった筆者は、自社で購入した古家・古事務所物件のほか3件の解体工事を発注しました。皆さまは「解体費用」について、どのようなイメージを思っておられるでしょうか?!
トップの【写真】は、わが社が購入した石油の配送所の事務所の不動産で、地中から掘り起こした埋設タンクです。
古家付物件購入【解体費用】はどのくらい?解体のリスクは?
このような特殊な案件を別にして、不動産の売買・取引では【古家付】というものが多くあります。買主が古家を解体する場合、一体どのくらいの「解体費用」がかかるか?? 気になるところですね・・・。
【資産に変える!!】のため「不動産の解体をすべき」場合がある!!
まずは「不動産売買」でどのようなケースで「解体の必要性」が生まれるか?!ですが・・・、
・古家、古事務所が使用が現状で厳しい場合 ・古家のリフォーム代金よりも、解体更地にして売却した方が高値がつく場合 ・その他、精神的な事故物件の場合 ・古家が法的に違法建築物状態にあり、改築等の工事ができない場合
つまり、古建物を「解体」をして、更地にした方が土地の価格があがり、経済価値も上昇する場合、「解体をする!!」という選択をします。
【一般的には】古家などの解体費用はどれくらいか?!
これについては、地域差があるので、このブログを読まれている皆さまに一律の答えとなる金額を示すことは、多少なりともリスクがあるのですが、大体の相場ということで書けば・・・
・木造の場合:1坪当たり:4~5万円 ・軽量鉄骨造の場合:1坪当たり6~7万円
例えば、延床面積が30坪の木造建物であれば、解体費用としては、120万円くらいから・・・ということになります。
解体費用の総額としては、150万円前後のものが多く、家の解体費用は、約150万円といったところです。
ただし、家の解体費用は実際に見積を取ってみると、大きく差が出ることがあります。
安い順に、
・木造:4~5万円/坪 ・鉄骨造なら6~7万円/坪 ・鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なら8~9万円/坪
建物がより堅固な構造である場合、重機を使った工事の日程が長くなることもあり、その分費用は高くなります。
加えて、忘れてならないことは「地下埋設物がある場合」は、さらにその、解体費用は跳ね上がります。
【地下埋設物の例】 ・基礎 ・地下室 ・水道管など ・タンクなど
【トラブル事例】その① 見積金額よりも高くなる?!
解体工事のトラブルで一番多いのが、見積金額よりも高くなったケースです。
解体発注者は少しでも安く工事費を抑えたいと考えていますが、実際の解体工事では、建物を解体してからでないと「(地下埋設物が)分からないケース」もあります。
通常の場合、解体工事の発注の際には、解体する建物の「建築確認書」一式を業者に渡します。その書面の中に【基礎伏図(きそふせず)】もあります。
【メモ:基礎伏図】 建築物の基礎全体の形状を、上から見下ろして記載された図面。 基礎の形状、幅、高さ、アンカーボルト、ホールダウン用の ボルトの位置、人通口の位置などを確認することができる。
解体業者は、この基礎伏図を見て、どのくらいの規模の基礎が地中に埋まっているか?!などを把握して、工事日程や産業廃棄物の処理費用などを概算します。
【トラブル事例】その② 建築確認書等などがなくウラがとれない?!
一方、あなたが古家付土地を購入する際に、建築確認書等がない場合、しかも、その古家をあなたが解体する場合には「リスク」が伴います。
多くのケースで【古家】ということにおいて、「その家が使えないくらい古いor使える状態にない」→「建築確認等書類を紛失している」ことはよくあります。
【トラブル事例】その③ 基礎撤去費用が解体費用を上回る?!
解体業者によっては『見積の際には、地上見えている部分の撤去費用であり、地中物については追加工事です』と明言している所もあります。
そして、基礎の規模によってはかなりの金額となる場合があるのです。
ちなみに、とっくんの住んでいる地域では、大規模な基礎撤去工事ができる業者がおらず、隣県の「撤去専門業者」に発注しなければならないケースもあります→ビルなどのケース
【トラブル事例】その④ 土壌汚染の可能性?!
最近の不動産取引で「土壌汚染の有無」や「有害物質の有無」などが重視されるようになりました。仮に、「古家or古事務所」を解体更地にした後、その土壌から有害物質が出た場合、これを、第三者に転売する際のマイナスポイントとなります。
【トラブル事例】その⑤ 解体工事の際の周辺とのトラブル?!
対象不動産の敷地が広く重機が入りやすければよいのですが、道路や敷地が狭く、工事に支障が出たり、場合によって近隣とのトラブルが発生することもあります。
ほとんどの解体業者が、工事に入る数日前には周辺住民に挨拶をして「解体工事期間中は迷惑をかけますが・・・」と、頭を下げるのですが、中には聞き分けのない住民もして、そのことが後々までトラブルの原因になることもあります。
このほか、敷地内上空に電線等が通っており、重機のアームがぶつかって切断するような事故が起きる場合もあります。
解体業者は、工事の見積の際には、工事のしやすさなどを計算して、見積費用に反映させます。
【解体後の活用策】によって、解体工事の内容を決める!!
ちなみに、とっくんの会社が【写真】にあるような地下タンクが埋設されていた不動産を購入することを判断したのは・・・、この施設を買取った後、解体更地にして『駐車場にする』という活用策を決めていたからです。
そして、駐車場として活用する際の
【近隣駐車場の相場(1台当たり)×収容台数×空室率】を計算し、年間の売上見込みを作って、 そこから税金や管理費などの支出を引いた金額と、 当初の不動産の購入金額+諸費用(登記費、税金等)+解体費用+その他
・・・を天秤にかけて、【投資すべきかどうか?!】を判断しました。
まとめ【解体後の活用策を決定】して、見積依頼を?!
古家付不動産を購入して、買主側で解体する場合、前述のように「解体後の活用策」を明確に決めてからでなければリスクが高まります。
また「解体業者を選ぶ」際に情報で最も重要な点は【価格の比較ができること】です。
そもそも論として、解体費用がブラックボックスのように不透明であれば、あなたもそんな業者に発注をしたくないと思います。とっくんもそうでした!!
解体業者には、重機を自分たちで保有している業者もいれば、中継ぎだけやって下請けに丸投げする解体業者もいます。解体費用は「重機を保有している解体業者」の方が安いです。
このブログ記事のまとめとしては・・・、ちゃんとした見通しを持った上で、こうした不動産の購入を考えられることを提案いたします!!