皆さま、ハロハロです! とっくん(@不動産投資家)です。
今回のテーマは『不動産登記簿の基本』です。皆さまが不動産投資家を目指すならば、仲介不動産業者が作成する資料とは別に、自らも物件調査ができるようになった方がいいと思います。不動産登記簿は、全国どこの法務局でも取得することができますし、郵送サービス、ネットでの確認などのサービスがあり、手に入れることが容易です。物件調査の基本的な見方をお知らせします。(トップ写真は、法務省サイトからの転載)
不動産はそれぞれに“証明書であり履歴書”があります。
所有者や物件自体の情報、担保など設定状況、それまでの所有者の遍歴などをまとめた『登記事項証明書(別名「登記簿」)』です。
あなたは、登記簿を見たことはありますか?
以前、自分の実家の登記簿を見たことがありますが、他人の不動産物件の登記簿は見たことがありません。
【不動産登記簿の基本】物件調査が必須!乙区欄で抵当権をチェック
不動産は、“動かすことができない物”なので、所有者が持ち歩くこともできません。また、移転することが不可能なものですので、所有権などの権利関係を「公的な力で公示すること」によって、所有や他の権利関係等を明確にしています。
これが、不動産の「登記に関わるルール」の基本です。
現在では、不動産登記データの多くをデジタル化しています。不動産登記簿と登記事項証明書は、ほとんど同じものです。
敢えて言うと…、紙ベースをコピーしたのが登記簿謄本、デジタル化したコンピュータ内のデータを印刷したものが登記事項証明書と言うことです。
筆者をはじめ不動産業者は、売買や賃貸契約の仲介をする際に、物件調査をします。その際、対象不動産の「登記簿謄本」を見ながら資料を作ります。
【不動産登記簿の見方】表題部と権利部 ~権利部は甲区と乙区に‼
不動産登記簿に記載されている内容を説明します。これは法務省のサイトから記載部分を転載します。不動産登記簿の記載内容を詳しく説明しています
(1) 表題部の記録事項
土地・・・所在,地番,地目(土地の現況),地積(土地の面積)など
建物・・・所在,地番,家屋番号,種類,構造,床面積など (表題部にする登記を「表示に関する登記」といいます。)
マンションなどの区分建物については,その建物の敷地に関する権利(敷地権)が記録される場合があります。この敷地権についての権利関係は,区分建物の甲区,乙区の登記によって公示されます。
(2) 権利部(甲区)の記録事項 所有者に関する事項が記録されています。その所有者は誰で,いつ,どんな原因(売買,相続など)で所有権を取得したかが分かります(所有権移転登記,所有権に関する仮登記,差押え,仮処分など)。
(3) 権利部(乙区)の記録事項 抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記録されています(抵当権設定,地上権設定,地役権設定など)。
法務省サイト(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji02.html)から一部転載
登記簿のうち、物件調査ではどこをチェックすべきなんでしょうか?
基本的には全部ですが、物件の内容(表題部)と、権利関係(所有権、抵当権等)をこまかく見ていきます。
乙区(権利部のうち所有権以外)では、その不動産が金融機関の抵当(担保)の対象になっているか、差押えなどの強制力がついていないか…などを見ていきます。
・登記の優先順位は登記した順
・甲区と乙区にそれぞれ記録された権利は、登記した日付のもっとも新しい権利が優先
・甲区と乙区との間では「受付順」に新しい権利が優先
・抵当権が抹消されるなど無効になった権利については、「下線」が引かれる
【乙区の抵当権の種類は⁈】~普通抵当権と根抵当権‼
不動産投資には「金融機関からの融資が不可欠」であることは、過去記事でも何度も書いてきました。このような融資を受ける際には、対象不動産に「抵当権」をつけることになります。
抵当権には2つの種類があって…、
・普通抵当権(抵当権)
・根抵当権…があります。
抵当権と根抵当権との違いは、下記のような点が挙げられます。
・抵当権の移転は債務者の承諾不要。根抵当権では承諾必要
・抵当権の債務者は連帯債務者が認められる、根抵当権の債務者は不可。
・根抵当権は、借入金をすべて返済しても消滅することはない
上記が主な違いですが、抵当権と根抵当権の詳しい特徴や、不動産投資家や使い方については、詳細を別の機会に記事にします。
まとめ:実際に登記簿を取ってみよう‼~登記簿を見ながら学習を
不動産登記簿は、日本全国で取得することができます。お近くに法務局がない場合は、ネットから対象不動産の登記簿を請求することが可能です。
こうした詳しいことは、別の記事で紹介することにします。
最後に…、皆さまが実際の不動産投資案件を検討中であれば、その登記簿を取ってみてください。その上で、前述の「甲区(所有者欄)」と「乙区(所有権以外の権利)」を詳しく見てみましょう。
過去記事で「訳アリ物件」などを紹介した際、さまざまな“訳アリ”の事情が、この「乙区」を見ると理由を理解することができます。
本日も記事を最後までお読みいただき心より感謝しております。