筆者のブログサイト(エックスサーバー使用)では「持続化給付金」に関する記事を多数掲載してきました。中でも「不正受給」に関してのする罰則規定を紹介しました。→記事はコチラ。既に「持続化給付金を悪用した詐欺師が出てきた」ようです。ある程度は予測はできていましたが、社会正義のためにも、こうした詐欺師を駆逐する方法を提言したいと思います。(トップ写真は、持続化給付金申請のサイトから転載)
「持続化給付金」の制度の悪用した詐欺師が出てきたようですね。こうした不正受給など防止する策はないのでしょうか?
「持続化給付金」は新型コロナウイルス感染で売上が減った事業者を救済するための施策です。スピード勝負で申請要件チェックがかなりゆるいので、詐欺師たちが悪用する可能性は高いでしょうね。今の法律の立て付けでは詐欺師を告発するのは難しいかもしれませんが、それでも既存の制度を使えば、告発は可能です。
【持続化給付金詐欺の手口】ペーパーカンパニー活用!告発方法は?
まずは、以下の記事をお読みください。ヤフーニュースからの転載です。
「いままでいろんな違法ビジネスに手を染めてきましたが、これほどラクに500万円が手に入りそうなことはないです」
そう得意そうに笑うのは、ネットワークビジネスや仮想通貨詐欺、闇金まがいの資金調達まで、数々の裏の仕事を手がけてきたという40代男性・N氏だ。
新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた国民への経済支援が急がれるいま、火事場泥棒のごとくそれらの支援策を食い物にする人間が現れ始めている。
中小企業や個人事業主を対象に創設された『持続化給付金』を違法に詐取するN氏も、そうした人間の一人だ。
経済産業省が創設した『持続化給付金』。受給資格は、売り上げが前年同月比で50%以上減少している月がある事業者で、中小企業には最大200万円、個人事業主には最大100万円が支給される。政府は、130万件の支給を想定し、2兆3000億円を予算として計上している。
だが、N氏のビジネスが新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けたわけではない。当然、前年同月比で売り上げが50%以上減少した月もない。それなのに、最大支給額の100万円や200万円どころか500万円が手に入るとは、どういうわけなのか。N氏がその手口を明かす。
「持続化給付金の給付額の算定方法はすごく単純。前年同月比でもっとも落ち込んだ月の売り上げに12をかけて、昨年の売上総額から引けばいいんです。申請には昨年の確定申告書や法人事業概況説明書などの書類の控えを提出しなければいけないですが、今年の売り上げに関しては自己申告でいい。つまり今年の帳簿上で、ある月の売り上げを前後の月に分散させて前年同月の半分以下にすれば、給付金が受け取れます。
自分は会社を2社持っていますが、どちらも節税目的のペーパーカンパニーなので昨年の売り上げはほぼなかった。そこで、税務署に修正申告書を提出して200万円ほどの売り上げを粉飾しました。同時に経費も200万円分付けたので、利益はゼロで法人税もゼロ。この方法でペーパーカンパニー2社+自分の個人名(個人事業主として)で3件、計500万円分の給付金を申請したわけです。税務署への修正申告と合わせても、3件で1時間もあれば申請できます」
架空の数字を申告することにリスクは感じないのか。
「持続化給付金は経産省が急ぎに急いで新設したザル制度。国税庁とは違い申告内容の裏取りすらされません。そもそも、経産省と、国税庁を管轄する財務省は仲が悪いので、連携も取れていない。リスクを感じることなんてないですよ」
一方でN氏は、「自分なんて控えめなほうですよ」と言い放つ。
「ネットワークビジネスを手掛けてる連中は、節税のためにペーパーカンパニーを3~4社持ってることもザラ。8社分、計1600万円の申請をした仲間もいます。自分の知り合いだけで、もう200件は申請されています。生活に困ってるヤツなんて一人もいませんが、カネくれるっていうなら、そりゃもらいますよ(笑)」
これらの犯罪に対応する手立てはないのか。詐欺事情に詳しい『わたなべ法律会計事務所』の加藤博太郎弁護士はこう解説する。
「給付金の不正受給は詐欺罪に該当しますが、持続化給付金に関して詐欺罪を立証することは難しいでしょう。今年の売り上げを低く見せるために計上日を前後させたとしても、詐欺を目的にしたものかどうかを判断することは困難だからです。130万件に上る申請書類をくまなく精査することもほぼ不可能。また、税金の過少申告は罪に問われますが、小規模の過大申告は事件化できないでしょう」
5月7日時点で持続化給付金の申請件数は50万件を超えており、すでに予算の3分の1が消化されたと言われている。そのうち、いったいどれだけが不正申請によるものなのか―。国には、簡単に不正申請できてしまう現在の制度を是正するとともに、N氏のような不正受給者を厳格に取り締まる責任がある。
以上の記事は、ヤフーニュース(https://news.yahoo.co.jp/articles/48d8a8a3b5d5d0134dac6489716cb09585b2a5d0)から一部転載
【持続化給付金の不正チェック】~業務委託者ができるか?
まず、持続化給付金の運営をおさらいしたいと思います。過去記事でも紹介したのですが、持続化給付金は「贈与契約」です。一般の補助金は「補助金適正化法」の縛りがある制度ですが、これとはまったく異なるスキームで運用されています。
しかも、実際の運営は、コールセンター業務やその後のチェック機能などを「(一社)サービスデザイン推進協議会」という団体が中小企業庁からの委託を受けて担当しています。
筆者の知見では、持続化給付金の不正受給のチェック作業はそう難しくないと考えています。主な理由は以下のとおりです。
問題は、チェック方法は難しくないとはいえ、前述の詐欺師のように“外形上は適正”な申請の不正を民間の(一社)サービスデザイン推進協議会が告発まで持っていけるか?という点です。
これは、正直、難しいと思います。
【持続化給付金の詐欺師の手口は】~どこに違法性があるか?
ここで前述のヤフーニュースの記事で紹介されていた「持続化給付金詐欺師の手口」をまとめてみました。
・税務署に修正申告書を提出して200万円ほどの売り上げを粉飾
・ペーパーカンパニー2社+自分の個人名(個人事業主として)で3件を申請した
・(詐欺師の認識)国税庁とは違い申告内容の裏取りしないだろう
・(詐欺師の認識)経産省と国税庁を管轄する財務省は仲が悪く連携も取れないだろう
・(詐欺師の情報)ネットワークビジネスを手掛けてる連中は、節税のためにペーパーカンパニーを3~4社持ってることもザラ。
・(詐欺師の情報)自分の知り合いだけで、もう200件は申請されている
なんかこの記事を読んでいると腹立たしいですね。
確かにそうですね。でも「持続化給付金の制度のそのものに“穴”があるので、この制度を作った経済産業省や中小企業庁にも責任はある」でとも言えます。
同時に、詐欺師が語っているように「経済産業省と財務省が仲が悪いのは通説」なので、連携がうまく取れるか?は疑問です。
まとめ:私案:「持続化給付金の詐欺」を告発する方法‼
持続化給付金の受託業務者の(一社)サービスデザイン推進協議会では、捜査権がないので、詐欺師の不正を暴くことはできないでしょう。
ならば…公務員の人事交流で以下のことをやればいいでしょう‼
いかに、経済産業省と財務省との組織全体としての仲が悪くても、人事交流はこれまでも実施されてきました。今回もこれと同じことをやって、“現場の一部”を優秀な専門家に任せるのです。
持続化給付金の詐欺に対して、国民の怒りが爆発すれば、政治も動くと思いますし、経済産業省や中小企業庁にしてみれば、詐欺は自らのメンツを潰す悪行なので、徹底的にこれを罰すればよいと思います。
そもそも、持続化給付金をペーパーカンパニーの粉飾という手法を使って不正に受給する連中なので、仮に、中小企業庁が動いた後に、国税庁も査察などをやれば、脱税を上げることもできるかと思います。もちろん、こうした詐欺師が脱税をしているとは断言できませんが、真面目に営業している企業よりは“悪事”をやっていることでしょうから…。
最後に、筆者は、これまでに「経済産業省関連の仕事」をやってきましたので、その知見から今回の記事を執筆しました。
不動産屋、不動産投資家、ブロガー
資格:宅建取引士、管理業務主任者
波乱万丈の人生の末、50歳を超えて不動産会社の社長に。新卒で新聞社に就職→30歳で退職→サッカー選手の代理人→プロサッカーチームのフロント→不動産会社の営業→プロサッカーチームのフロント→インキュベーションマネージャー→経産省「キャリア教育」プロジェクト研究員→インキュベーションマネージャー→起業失敗→ブログを書きまくる→企業誘致課の参与→株のデイトレードで失敗→消費者行政の仕事→引きこもり→不動産会社取締役→2018年不動産会社の社長。
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