不動産投資をする方は「金融機関とのつきあい」が必須条件です。不動産投資で成功するためには「金融機関と上手なつきあいをすること」が必須条件です。今回の記事は、金融機関と上手なつきあいをするための「繰上げ返済のやり方」について解説します!!
不動産投資のために金融機関から事業資金を長期融資してもらって、返済途中で、儲かったので「繰上げ返済」してもいいんですか?
基本的に…、返済をすることは不動産投資家の自由な行為です!
ただし、金融機関側にしてみれば「繰上げ返済は、かなり嫌な行為」です。今回の記事では、金融機関の仕組みを交えて、金融機関とうまくつきあう方法を解説します。
【不動産投資の成功】金融機関とのつきあい方!繰上げ返済はNG?
【金融機関とのつきあい方】彼らは徹底した目標管理主義デス!!
今さらながらですが、金融機関のビジネスモデルは「預金を集めて資金をつくり、融資を通じて金を貸して、利息で儲ける」のが基本です。
金融機関は、それぞれに「営利企業としての目標」を持っています。大まかに言うと、以下のような目標です。
・融資額
・利息収益
・預金額
【徹底した目標管理主義】エリア・支店・個人ごとの目標がある!!
金融機関は、全体の経営計画から「売上や利益」等をエリア・支店・担当者ごとに明確な目標を立てて管理しています。
この中で、融資担当者は、支店全体の目標達成の一部として、個人単位での目標に縛られています。売上や利益が未達成であれば、今後の昇進や人事評価、給料に影響が出てきます。
前述の3つの目標のほかにも以下のようなものがあります。
・保険、投資信託の販売
【金融機関のつきあい方】金融機関が繰上げ返済を嫌がる理由?!
ここで再び「繰上げ返済」に話を戻します。
繰上げ返済というのは『当初の実施計画よりも早く返済すること』です。これにより金融機関側としては…
・利息収益が減少する
借りている側は『繰上げ返済=返済負担を軽減する方法』ですが、
金融機関側は『繰上げ返済=本来得られるべき収益が削られるもの』
となってしまうのです。まさに、利益が相反するわけです!
支店全体で「融資・利益目標」を持っている中で、繰上げ返済により減少する数字を別の案件でカバーしなければならないということになります。
担当者が「別の案件(顧客)でカバーしようとしても、リカバリーする時間がない」。その要因で支店の目標が未達成になってしまう―となってしまうこともあります。
【金融機関との上手なつきあい方】繰上げ返済をする際の注意点
繰上げ返済は、金融機関にとっては「ありがたくない行為」ではあることは説明したとおりです。
ここで、金融機関が最もお金を貸したい人をここで教えておきます!!
・不動産投資の場合は、お金や不動産を多数、持っている資産家です
『お金を持っている資産家が金融機関から融資を必要とするのか?!』と思う人がいると思います。実際には資産家は『目の前の現金は保有しておきたい。融資を受けてレバレッジを利かせて不動産投資をしたい…』と考える資産家もいますので、こうしたニーズがあるのです。
【繰上げ返済のNG行為】融資担当者に相談ナシで実行する!!
ところで、資産家以外の人が金融機関の融資を受けて、「繰上げ返済をしたい」と考えた場合の手順を説明します。
もしも、金融機関の融資担当者に相談せずに繰上げ返済を実行したら、担当者は上司に呼び出されて『顧客の管理がなっていない!なぜ、相談もなく繰り上げ返済されているんだ』と叱られて、人事評価が下がってしまうでしょう。
筆者の場合、現在のところでは「繰上げ返済をしていません」が、もしも、やる場合には「融資担当者だけでなく支店長に事情を説明」して行うつもりです。
【繰上げ返済NG行為】定期預金を解約して実行する!!
これをやると、担当者だけでなく支店全体で投資家が嫌われます。その理由を説明します。
例えば、金融機関側が、投資家から2000万円の定期預金を組んでもらって、3000万円の融資を金利2%で実行した場合、銀行にとっては【実質的に貸しているのは1000万円で、3000万円の2%の収益が見込める、つまり年率6%の収益となる】ので、この状態が「おいしい」のです。
・融資額の目標達成にもなる
・融資対するの投資効率(金利)も高くなる
このように、金融機関側にしてみれば「よいこと尽くめ」なのです。これと真逆のことをやれば、金融機関側が「嫌がる」のは当たり前です。
【繰上げ返済NG行為】一部繰上げ返済をする!!
銀行融資の繰上げ返済は、基本は「全額繰上げ返済である」ことを理解しましょう。
まとめ:金融機関側との取引をゼロにはしない!!
不動産投資家は「金融機関とは良好な関係を保つ」べきです。ですから「取り引きの借入を0円にする」のは避けるべきです。
その理由としては…、金融機関の融資の難易度は…
既存取引先で新たな融資の難易度 < 新規取引での融資の難易度
という関係にあります。金融機関は社内で「稟議制」を採っています。既存取引先の融資を拡大する稟議の方が、新規取引の稟議を通すよりも簡単です。
しかも、既存取引先の「融資額が0円」になってしまうと、次の融資を受ける時は、新規取引と同じ稟議となります。さらに『この顧客は繰上げ返済をする人だ』という履歴は残っています。つまり、融資審査の際には「マイナスからのスタート」となる可能性が高いのです。
今後も、金融関係との関係を継続したいのであれば、融資をゼロの状態にしてはいけないのです。