不動産投資をこれから始めたいという初心者の方が最も恐れるのが「不動産投資の失敗」です。
不動産投資の失敗の事例はいくつかありますが、中でも投資した金額に見合ったリターンが生み出せない、所有した不動産が「空室」になった、不動産の売却ができない――などのケースが見られます。
今回の記事では、不動産業歴25年の筆者が、自らの実践を交えて「不動産投資で失敗しないために少額投資を行う理由」について説明します。(トップ写真は筆者の最初の不動産投資物件)
新卒で新聞社に就職→30歳で退職→サッカー選手の代理人→プロサッカーチームのフロント→不動産会社の営業→プロサッカーチームのフロント→インキュベーションマネージャー→経産省プロジェクト研究員→インキュベーションマネージャー→企業誘致課の参与→不動産会社取締役→2018年念願の不動産会社社長に・・・。
一般の方が不動産投資を行う際には「金融機関から借金して投資」をするのが普通です。もしも、不動産投資で失敗したらその後の人生で大きな重荷を背負うことになります。ボクは不動産投資で失敗しないためには「少額投資から始めるべきだ」と考えています。
不動産投資は少額から始めるのが良い3つの理由
不動産投資は、多額の投資金を必要とします。自己資金だけでこれを行うのは現実的ではありません。金融機関からの融資(借金)で不動産投資をする場合には、リスクとを伴います。
このサイトでは「不動産投資のリスク」に関する記事をこれまでも書いてきました。
【不動産投資リスク】情報収集!!本質を理解したら単純だ【限定】
筆者の経験値で語りますと…、初心者が不動産投資で失敗しないためには『少額投資から始めた方がよい…』とおススメしています。
以下にその3つの理由を説明します。大きく分けて少額の不動産投資には次の3つが共通しています。
不動産投資を少額で行うという意味は⁈
- 少額投資は不動産投資の商品を購入すること
- 不動産投資の商品は投資のプロが行う不動産投資に資金を出すこと
- 自己不動産投資で行う際の管理等が必要ナシ
少額投資は不動産投資の金融商品を購入すること
不動産投資を少額で行うということは、金融商品を購入(投資)するのが一般的です。少額の不動産投資の方法は、後で詳しく説明しますが、自身だけで不動産投資をするのと違って、「共有」「クラウドファンディング」「金融投資商品」などの手法を使って収益不動産を購入するというものです。
不動産投資の金融商品は投資のプロが行う不動産投資に資金を出すこと
このような不動産投資の金融商品は、それぞれ根拠となる法律があります。投資を集める者(投資販売会社等)は、法律に基づいた手順を踏んで、収益不動産を購入します。
これらは「投資のプロが行う不動産投資に資金を出す」という意味があります。不動産投資の初心者にとって「失敗しない投資用不動産をどのように見つけるか」「どのくらいの価格で購入するか」などは、不動産に関する経験値が必要ですが、金融商品として購入する見極め力は、自身が行う不動産投資のやり方よりも簡易的です。
自己不動産投資で行う際の管理などが必要ナシ
不動産投資を自身で行う場合、購入した不動産の管理をどのようにするか、を考えなければなりません。初心者は、不動産管理会社に委託をするのが一般的ですが、この際には「管理費」などの諸経費が必要となります。
管理委託をせずに「自己管理」をすれば、諸経費はコストダウンをすることができますが、初心者が収益物件の管理を行うことは容易ではありません。
少額不動産の投資は、このような管理に関することは行う必要は一切ありません。
不動産投資を少額から行う方法とリスクとは?
不動産投資を少額で行う方法は以下のような種類があります。
- クラウドファンディング
- 不動産投資信託(REIT)
- 不動産小口化商品
- 海外不動産への少額投資
クラウドファンディング
不動産のクラウドファンディングは「不動産特定共同事業法」の改正で一般的になりました。
この法律によって運営する「不動産の購入の資金調達」を目的としたクラウドファンディングです。クラウドファンディング事業者は、主にインターネットを使って投資家から資金を集め、運用期間中の賃料収入や売却益を元に配当します。
不動産投資信託(REIT)
REITは「Real Estate Investment Trust」の略で日本語では「不動産投資信託REITと呼ばれています。
REITは、多くの投資家から集めた資金で、不動産の大型物件を購入し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品です。
クラウドファンディングと異なり、大型物件としてオフィスビル、商業施設、マンションなど複数の不動産を購入します。法律上は投資信託の一種です。
日本型REITは、証券取引所に上場されており、市場で売買を行うことができます。これにより株式のように「流動性」を担保しているのです。
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは「特定の不動産」を小口化して販売し、賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配する商品です。
REITと異なり現物不動産の保有者になる商品もあります。不動産小口化商品には、事業主体によって「匿名組合型」と「任意組合型」の2つのタイプがあります。
海外不動産への少額投資
このほか、海外不動産小口化商品があります。収益物件を複数の方々と共同で購入する共同オーナー型の商品です。
共同オーナー型なので、原則的に自由な転売ができません。海外への投資なので為替による影響を受けます。また、海外不動産は日本とは異なる「不動産の仕組み」がありますので、筆者は海外不動産投資のリスクを把握することができません。ですから、筆者自身は海外不動産投資書品は購入しません。
少額からの不動産投資を学べるクラウドファンディング
「クラウドファンディング」「REIT」「小口化商品」「海外投資」の4つの不動産の少額投資の中で、筆者ならば「クラウドファンディング」をやります。
その理由は、将来の「不動産投資のための予行練習」にすることができるからです。
投資先の案件が大型の金融商品は、ぞれぞれの不動産の収益モデルなどは明らかにされません。一方で物件ごととの投資をするクラウドファンディングは、不動産投資の仕組みをシミュレーションすることができます。
主に、以下のようなノウハウを知ることができます。
- 投資先不動産のチェック方法
- 収支シミュレーションの仕方
- 不動産投資のリスク管理の方法
投資先不動産のチェック方法
不動産投資のクラウドファンディングの投資先は、マンション・アパートなどの住居系不動産が多く、しかも、物件ごとに投資をします。インターネット上で投資不動産を公開しているので、投資先不動産をチェックすることができます。
収支シミュレーションの仕方
インターネットで投資先不動産を公開している不動産クラウドファンディングでは、運用期間、想定利回り、募集金額などの情報がすべてオープンになっています。
将来、自分だけで不動産投資をする際に、どのようなことをチェックしておくべきかを知ることができます。
不動産投資のリスク管理の方法
不動産投資の最大のリスクである「空室や修繕工事」などについて、不動産クラウドファンディングを通して、自分が投資したようなシミュレーションをすることができます。
クラウドファンディング事業者は、投資のプロですが、100%不動産投資で成功するとは限りません。万が一、クラウドファンディング事業で失敗したとしても、その「投資の失敗は限定的で少額」です。
不動産投資のリスクをクラウドファンディングの事例を通して知ることができます。
まとめ:不動産投資の経験値を高める少額の必要性
今回の記事では、不動産の少額投資の必要性を中心に、不動産投資家としての経験値をどのように高めるかについて説明しました。
筆者のおススメは「不動産クラウドファンディング」ですが、これらの商品はそれぞれの投資先が個別に異なるので、少額投資から不動産投資を学びたい方は、さまざまなタイプの案件をチェックしてみてください。
自分が投資した物件の内容を知ることができ、投資先のオーナーであるという自覚が持てます。また、どの不動産に投資をするか?!という決定のプロセスは、通常の不動産投資と変わりません。
取り急ぎ、上記の不動産クラウドファンディングの「投資案件」の公開情報を見ることで、不動産投資の基本を学んでみてはいかがでしょうか⁈
本日も、記事を最後までおよみいただき心より感謝いたします。